世界
The dream which the bird saw
仮想中国世界。
現代なら漢~唐の文化を持つ世界。気候もそれに順ずる。
成人年齢は数え15歳。新年を向かえ年を数える。誕生日という概念はない。
真字(しんじ)を持ち、その字を教えることは禁忌としている。名を教えあうということは未来を約束する意味を持つ。
永年(エイネン)という王朝が天意を得て、この大陸を治めている。外戚の弊害で滅びかけている朝でもある。皇帝の一族は、艶のある直毛の黒髪で有名。
鳥陵暦 建平元年 当時の
大陸東部の勢力図
鳥陵(チョウリョウ)
エイネンの一地域。
尚武の国である。いくつかの豪族が力を持っていたが、フェイ・シユウの手によって一つにまとめられた。以来、チョウリョウと名乗る。
派手な色彩を好み、紅を尊ぶ。
やや黄みがかった肌と黒味がかった茶色の髪と瞳を持つ。強い癖のある髪を持つ者も少なくない。男性は肩を覆う程度に伸ばした髪を高い位置でくくり、女性は腰まで伸ばした髪を結い上げる。近年、混血化が進み、例外も増えてきている。男性の平均身長は170㎝程度。
健康的であることを第一とし、身体が丈夫で明朗闊達な人物が好まれる。
血脈に刻み込んでいるとしか言いようのないほど、恋愛結婚を尊重する。この地では初恋が叶わないことは稀である。完全に一夫一婦制。
名族たちは子どもに「鳥」を意味する名を与える。
飛以外の有名な家柄は以下
翁(ウェン):
皇室とも縁の深い大陸きっての名族。女系一族で、美貌の一族とも知られる。
習(シュウ):
巨万の富を持ち、幅広い人脈を持つ。シユウの代からチョウリョウに仕える。
翼(ヨク):
直系は絶えようとしているものの、名士に挙げられる当主の裁量もあって、チョウリョウを支える土台でもある。
翔(シャン):
死の商人とも呼ばれる。商わない物はないと豪語する。各地に潜ませた「耳」の情報は、黄金で買取される。
永<土番>(エイハン)
チョウリョウの一地域であり、ギョクカンの一地域でもある。領土を二つのクニが所有しているため、北の紛争地域である。未来を予知する斎姫(いつきひめ)の血族をめぐって、争いが絶えない。
寒色を好む。乳白の肌、金髪、碧眼。女性は髪を結い上げない。男性の平均身長は175㎝程度。折れそうなほど細い肢体、引きずるほど長い髪が好まれる。色が薄ければ薄いほど良いとされる。
シユウとランの婚姻以来、混血が増えている。
大陸の中でも、婚姻が最も緩い地域。複数の妻を娶ることもさることながら、異腹の兄妹結婚を奨励している。
名族たちは子どもに「水」を意味する名を与える。
色墓(シキボ)
チョウリョウの一地域。対ギョクカンにおける最前線。豊かな穀倉地帯のため、昔より争いが絶えない地域。そのため、女子どもでも武器を扱う。
地味な色合いを好み、緑を神聖視する。やや黄みがかった肌と独特な風合いの茶色の髪、緑の瞳。混血化はほとんどなく、緑の瞳を持たない人間はいないほど。腰まで伸ばした髪を襟足で一つに結ぶ。男性の平均身長は170㎝程度。最も美しいものは力。強者に絶対服従。女性側から選ぶことも珍しくない。離婚も手軽に行われる。
絲一族は特に優れた子どもに「糸」の字を与える。色を名に持ち、剣を特に許される者は一握り。一子相伝で「絲」の姓を名乗れる子どもは一人のみ。それ以外の子どもは八歳の儀式のときに、分家になり以降違う姓を名乗る。
行エイ(ギョウエイ)
チョウリョウの同盟国。民族的にはエイハンの民とあまり変わらない。が、支配階級のみ菫色(紫よりの青)の瞳を持つ。混血化してもその色が揺るがないため『奇跡の瞳』と呼ばれる。
名族たちは子どもに「行」を意味する名を与える。
海月(カイゲツ)
チョウリョウの一地域。実り薄き土地ゆえに貧しい。建平元年に膝を屈する。黒髪、鉄色の瞳を持つ船乗りの民。海の向こうとも交易を持ち、川賊・海賊の元締めとも親しい。月の女神と海の女神を信仰する。長い髪は月の女神の加護、短い髪は海の女神の加護を願うもの。独立意識が強い土地柄、武芸に親しみ、兵法をそらんじる。
小さなクニで民の姓が「海(カイ)」。一夫多妻制で、公の娼館がある。
名族たちは子どもに「月」を意味する名を与える。
玉棺(ギョクカン)
野心も隠さない蛮野の王が治める土地。
エイネンの地域のほとんどを侵略して、手中に収める。
大きくなっていく国のため、国民は多種多様。元々は黄みがかった肌と黒髪、茶色の瞳の民。