『人の影』注意書き
最多視点人物であり、第一話である『天体観測』で「私」と語る女性が戸籍上の名前ではなく仮想現実(インターネット)で使っているハンドルネームである《shi》と《shi》が《黄昏》と呼ぶ男性との歪な関係性な恋愛ものです。
純文学に近い、キャラ文芸の位置づけされるようなものです。
『人の影』自体は《shi》にとってはハッピーエンドで終わるので、ご都合主義です。
現実世界と仮想現実世界の間で、曖昧な関係性にある二人ですが、Last Episodeにてピリオドが打たれます。
以下ネタバレになりますが、地雷(苦手)な属性だと思ったら読まないことをお勧めします。
《shi》読みは「シー」
実母を物心つく前に亡くし、中学の途中で実父とも死別。
実父は過労死として扱われたが、アルコール依存症でもあった。
《shi》に対して性的虐待を除く、虐待を常に行っていた。
止めに入る親族はいないほどの閉塞した地域で住んでいた。
遺伝的なものもあるが、生育環境により、実父の死と同時に重度な精神疾患を発病。
10代からカウンセリングを受けながら、薬漬けになるような生活を送る。
現実世界に対して、とある価値しか見出していないために、希死念慮(自殺願望)を常に持ち続けている。
そのためセルフネグレクト気味であり、自分の体を大切にしていない。
役割を演じている(ロールしている)ため、作中は機械的な発想をしていることがしばしばある。
Last Episodeの時点で23歳の社会人。
服飾系の会社に勤めている。
戸籍上の名前は関志穂(せき・しほ)。
エスペラント語で「彼女」という意味を持つ《shi》というハンドルネームは《黄昏》が当時所持していた本から選んでいる。
そのため戸籍上の名前を知る者は《黄昏》が《shi》を愛称で呼んでいると思っている。
《黄昏》読み「タソガレ」
《黄昏》はいくつか使い分けているにすぎないハンドルネームの一つ。
日本語入力できない場所ではあっさりと違うハンドネームを使っている。
またそれを《shi》も知っているが現実世界でも《黄昏》と呼び続けている。
《shi》と出会ったのは大学生の時。
《shi》の行動パターンが実父を亡くし、一時的にうつ病になっているわけではないと最も早く気がついた人物。
置かれた立場上、保護者的な関係を表面上は続けている。
Last Episodeにて30歳の誕生日を迎える社会人。
戸籍上の名前は関夕也(せき・ゆうや)。
《shi》とは父方の血族。
親族と呼べるギリギリの関係性で6親等にあたる。
いわゆる「再従兄妹」。
《shi》と《黄昏》の父親が従兄弟同士。
第一話の『天体観測』で、《黄昏》も《shi》も実家を出て、独り暮らしするほどの社会人になっているので、当然《shi》を恋愛対象にしている。