後書き

 地球に最後に残った女の子。
 それを迎えに来た青年。
 二人きりの宇宙港。
 最後の人類も母なる星から旅立ち、地球は無人になる。

 これが最初に思いついたイメージでした。


 原稿用紙換算で、45.4枚。
 読了、ありがとうございました!

 「Club A&C」発の企画「みんなでSF」参加作品です。
 使用したお題は「地球最後の二人」「海」「惑星」「コロニー」です。

 チアキは『千明』と書きます。
 SFっぽくカタカナで通しましたが、これだけは言っておきたかったんです。
 登場人物の名前は記号でしかすぎませんが、こだわりでもあるのです。

 今回はタイトルが長いです。
 「約束の大地の空の色は、天国の青よりも深い」
 どうにも長いタイトルで、相方の紅和花に説明するときは『カナン』と呼んでいました。
 私はタイトルを決めるのが苦手なので、作品のタイトルは
 そっけないor凝りすぎる
 になるようです。
 今回は、後者です。
 凝るとタイトルが長くなるようです。
 最後まで読んでいただいたのなら、何故こんなタイトルになったか理解していただけているような気もするんですが、念のため解説します。
 惑星CA‐N<カナン>の空の色は、地球<ヘブン>の空の色である『青』よりも深い色をしている。
 という意味です。
 <カナン>の空の色が「マゼンダ」だから、です。
 約束の大地は<カナン>を指すだけではなく、約束した場所でもあるJS‐ポートでもあります。
 天国の青は、色名「セレスティアル・ブルー」の和訳でもあります。
 複数の意味を持っていると、奥行きが出るような気がするのです。
 タイトルに「、」が入っているのは、感覚的なものです。
 深い意味は、どこにも、まったくありません。

 悩んだのは、話の締め方。
 マイナス時間を載せるか、載せないか。
 説明不足になるのをわかっていながら、綺麗な締め方を選ぶか。
 蛇足になるのをわかっていながら、今できるだけの説明する、努力をするか。
 後者を選びました。
 世界観を語る努力をしない作者・並木空。というレッテルをはがす努力中です。


 では、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!


 並木 空